歴史研究会 【研究ノート20】宇佐家とは何か
宇佐家とは、単に宇佐神宮に仕えた一つの神職家を意味するのではない。豊前・豊後にまたがる広い支配地、祭祀権、裁定権、土地経営、そして家ごとに分かれながらもなお共有される一族の記憶を含む、重層的な歴史空間そのものを指すべきである。宇佐家を理解するには、近世以降の固定した家制度や、本家・分家の観念をそのまま当てはめるだけでは足りない。むしろ、複数の家筋が役割を分担しながら並立し、制度の変化に応じて姿を変えていく古い支配秩序として捉える必要がある。